2006年11月11日〜12日
「シーナックキャビンに泊まって、2日間走ろう!」

今年もやってまいりました。
あの中込夫妻が経営するSY-Nak Cabinに泊まって2日間目一杯走ろうというこのツアー。
いくつかのハプニングを乗り越え楽しんだツアーの模様を岡田 康彦さんがレポートしてくれました。


※写真をクリックすると拡大します。

今回このシーナックキャビンのイベントに参加したきっかけ。それは正直言って、思いつきと言うか本当に何となくと言うのが正しかったかも知れません。
それに、マウンテンバイクと言いながらも公園やダートジャンプなどのコースでしか乗った事がなく、山では一度も乗ったことがありませんでした。
そんな事もあってダイナミックに山を駈けると言う理想を勝手に頭の中で描きつつ、とにかくマウンテンライドができる企画がいいかなと思い、軽い気持ちで申し込みました。

しかし後になって考えてみると、その週はちょうど仕事がめちゃめちゃハードな週と重なっていて、しかもイベント直前の天気予報では当日は雨。そんな情報を聞くにつれ、次第に気持ちが萎えてくるのを感じつつ「いや、いかん、いかん、絶対走るぞ!」と自分を奮い立たせ、出発当日を迎えました。
前日の仕事の影響もあって、出発の準備を終えたのは夜中の1時過ぎ。そのまま出発しようかとの思いもよぎりましたが、あまりにも疲れていることに気付き、3時間だけ寝ようと思い4時にアラームをセットして床につきました。
・・・がしかし!目が覚めたら5時を回っていました。
「やばい!」と思い大急ぎで用意をして5時半過ぎ。いざシーナックキャビン目指して出発!
「ちゃんと時間通り到着するだろうか?」と若干の不安を覚えつつ中央高速をひた走り、一般道を乗り継いで何とか時間の余裕を残して到着!「あ〜良かった!」とホッとした瞬間でした。
しかし雲行きは限りなく怪しく、今にも降り出しそうな状況。とりあえず自己紹介を終え、この微妙な天気で走り出すか、それとも走り出すのはしばらく様子を見てからにするかを話し合います。
一旦はしばらく様子見と言う事になったのですが、ガイド役でもあるシーナックキャビンの中込オーナーからの提案もあり、小雨の中走り出しました。
しばらく舗装路を走り出したのですが、山の方角に向かうにつれ雨はひどくなり一旦お蕎麦屋さんでお昼休憩と相成りました。
ものすごく不用意な事に自分はカッパ等の雨対策グッズを全く持って来ておらず、正直「助かったぁ〜!」ってな感じでした。

昼食後も雨は一向に止む気配はなく、このまま進むかどうかを少し話し合い、結局更に山へと走り進むグループととりあえずその日はキャビンに戻って翌日の晴れに期待するグループに分かれました。
で自分はと言うと、キャビンへと戻る事にしたのです。
いや、正直前日からの疲れも少し残ってましたし、ここで無理をするよりも翌日の晴れという予報に期待したほうが良いかなと思い・・・と言い訳してみたりして。
来た道をキャビンへと戻り、とりあえず冷えた体を暖めるべく沸かして頂いたお風呂に入りました。

それからリビングへと降りてマッタリとした時間を過ごし、これはこれで「ありかな!」なんて思っていました。
が、しばらくすると一緒に帰ってきてマッタリしていたはずの相坂さんがバイクを出し、シーナックの庭に中込オーナーが作った庭トレイルコースを走り始めています。それを見て自分も一度納めたバイクを引っ張り出し、相坂さんのプチ庭トレイル道場が始まりました。
相坂さん曰く、この庭トレイルでマウンテンライドの基礎が身に付くとの事。
雨で限りなくスリッピー。しかもその時自分がバイクに装着していたタイヤは山を走るためのブロックタイヤではなく、転がり抵抗を重視したようなタイヤで、どちらかと言うとオンロードもしくはダートジャンプコース用みたいなタイヤでした。
今考えると「なんちゅうタイヤで来とるんじゃ、山をなめとんのか!」と思われたかも知れませんが、とりあえずそれで自分も庭トレイル挑戦!いや、本当に難しかったです。
タイトコーナーではスリッピーなぬかるみにタイヤを取られ、木を乗り越えながらのタイトコーナーでは木の上に乗っかった瞬間に滑り、勢いとトラクションの絶妙なバランスが要求される急坂と数々の困難な個所で足をつくという状態でしたよ、最初は。
でも相坂さんの教えを聞きしばらく練習を繰り返すうちに、完璧とは言えませんが徐々に一つ一つの困難なセクションをクリアできるようになり、自分的には庭トレイル、かなり楽しかったです。
今度行った時も必ず挑戦しようと思います。皆さんも行かれたらぜひ挑戦してみて下さいね。かなり楽しめますよ!
結局その日のライドは庭トレイルで終了。雨の中を山へ入って行ったグループも無事戻って来ました。
翌日のマウンテンライドデビューを楽しみに、シーナックキャビンでの夕飯へと突入していきました。皆と囲む夕食は本当に楽しく、味も絶品でした。

迎えた翌日。何とか雨も止み、まずまずのトレイル日和となりました。美味しい朝食を済ませ、初マウンテンライドへと出発です。
しばらく昨日と同様の舗装路を走り、いよいよ山へと突入。いざ気合いを入れてガイド役の中込オーナーに続きトレイルを登り始めました。
自転車での本格的な登りなんて本当に久しぶりで、しばらくは心臓バクバクでしたが何とか気合でついて行きました。
それにしても初マウンテンライドでのいきなりの感想は、体力面もさることながら登りのテクニカルセクション、急坂が本当に難しいなぁ〜の連続でした。
中込オーナーがスイスイと登って行くのを後ろから眺めて自分もとばかりに挑戦するのですが、途中であえなく「先生、やっぱ登れませ〜ん!」ってな感じでした。「いや〜本当に難しい!」と思いながら、やっとの思いでついて行きました。

で、しばらく登りと格闘しながらいよいよ念願のダウンヒルセクション!・・・と言ってもこれも自分にとっては初めてなのでしたが、とにかくワクワク、ドキドキ、ウキウキのハイテンション状態でした。
一発目の初ダウンヒルを下って、「やっぱ楽しい〜!」の連続でした。ところどころ岩が笹で隠れていたり、隠れプチドロップオフがあったりと気が抜けなかったのも正直な感想ですが、それでも「楽しい〜!」「気持ち良い〜!」の気持ちの方が遥かに先行していました。
相坂さんの走りを後ろから眺めるチャンスに恵まれ、下りを右へ左へとサイドの斜面に合わせての華麗なドリフト走行を見て楽しむ事もできました。まあもっとも、本当に少しの間だけで瞬く間に視界から消えていってしまいましたが・・・。

それからしばらくの間登り、舗装路を走り、そろそろ腹ぺコになったところで念願のお昼休憩へと入って行きました。
と言うのは、現地に入ってから「ヒッコリーと言うお好み焼きがメチャクチャうまい」と言うのを何度も聞かされていて、広島出身でお好み焼き大好き人間の自分としてもぜひ食べてみたいと思っていたからです。
いや、相坂さんの言う通り本当にメチャクチャうまかったですよ。中にお餅が入っていて、その味もさることながらボリュームも相当なもので確かに相坂さんがやみつきになるのも頷けました。
それから昼食を終えて外に出てみると、今まで暖まっていた体が一気に冷えて寒いの何のって。
それもそのはず、気温は2度。こりゃ走って体を暖めなければとばかりにそそくさとスタート!
しばらく山の中のサイクリングロードみたいな所を走っていると、なんと野生の鹿に遭遇!したそうなのですが、実は自分は見逃してしまいました。物凄い勢いでヒルクライムして行ったそうな・・・。
まあ、こんな自然にめぐり合えるのも山ならではなのだなあと思いを巡らせている場合ではなく、そろそろ本格的に登りがきつくなって来ていたのでした。
そう、今まではなんと言うか勢いでひた走って来ましたが、よく考えると自分のバイクはフロントシングルだった事を思い出し、余計に体が重くなりました。
オンロードではありますがダラダラと続く登り、サドルを目一杯上げてある意味「無の境地」で登り続けました。いや、今考えると我ながらよくもったなあと思います。ハイ。

そうこうしているうちにツーリングも終盤に差し掛かっていました。
朝9時半に出発。登って下って、正直あっという間のツーリングでした。
そしてとうとうシーナックキャビンも近づいて来て、キャビンへと向かう最後の直線。微妙に下っていて恒例の直線レース。ただし漕がずに。
一旦皆止まって、一斉によーいドン!次第にスピードは上がっていくものの、徐々に差が開き始め、一旦自分は最後尾付近まで転落!
こりゃいかんと思ってジャンプの下り斜面に合わせて加速させる時に使うフロントプッシュを思い出し、「フロントプッシュ走法だ」とばかりに勝手に心の中で名付けながらひたすらバイクを前に押し出すようにしていくと次第にスピードが上がり、最後付近で何台か抜く事に成功。何とか最後尾は免れました。
こんな事なら最初からフロントプッシュで臨めば良かったかなと思いながら、楽しかったツーリングを終えキャビンへと帰還!少し寂しさを感じながら、来年も必ず来るぞとの決意を固めツーリングは終了しました。

いや、正直言って来る前の「こりゃ、えらいものに申し込んでしまったかなあ!」との思いが嘘の様に、終わってみると「本当に心の底から楽しんだ!」との思いに変わっていました。
自転車に乗ることがこんなに楽しいものだったのかと改めて思い知らされたような気がします。特に下りは本当に楽しめました。
それに一緒に参加されていた方々も本当に楽しい方ばかりで、絶対来年も参加しようと思ってます。
これを読んで下さっている皆様、ぜひ来年シーナックキャビンでお会いしましょう。ではまた。


== SPECIAL THANKS ==
Written by Y.Okada