2008年7月19日
相坂シンジローの“山”道場「富士見DHビギナースクール」

澄み渡る晴天の空の下、富士見パノラマでDHビギナースクールを開催しました。
みなさん回数を重ねるほどにグングン上達され、素晴らしいライディングを披露されました。
そんな上達の模様を、黄色いFSRで参加された須田さんがレポートしてくれました。


※写真をクリックすると拡大します。
初めての富士見。青く澄み渡る空と、高原の爽やかな空気が出迎えてくれました。
5月の富士見DHビギナースクールが雨で中止になっていたことに加え、週間天気予報も2, 3日前まで雨マークだっただけに、絶好のコンディションで富士見DHデビューを果たせて大満足です。

参加者は5人。相坂シンジロー先生(以下、相ちゃん)と、最後尾には影の助っ人たろさんがパンクなどに備えてサポートでついてくれるので安心です。
二人が、その場、その場で具体的なアドバイスをしてくれます。参加者5人という人数もいいですね。あまり人数が多いと指導が行き渡らないから。

まず、集合場所の駐車場の木陰で自己紹介。軽く準備体操します。タイヤの空気圧のチェックなどもしてくれます。今回走るのは全長7.2kmの初・中級者向けCコース。これを3回走ります。
自転車ごとゴンドラに乗って上まで行き、下るだけのライディングというのも初めて。
一つのゴンドラに2台+2人まで。自転車は向きを交互にして前の座席側に置き、人間は後ろの座席に座ります。ドアが閉められると、ゴンドラの中はかなり暑い。でも、時々、天井の窓から入ってくる涼風に癒されます。後ろにはダイナミックな風景が広がっています。

ゴンドラの終点が見えてきたあたりからヘルメットをかぶり、プロテクターやグローブを着けて準備を始めます。
ゴンドラを降りて、さあトレイル開始!と思ったら、いきなり20メートルくらいの登り坂。ダウンヒルと聞いていたのに・・・。これはコースの一部が工事中?のための迂回路だとか。
それからやっと下り坂が始まります。

1回目。
「頭の位置がぶれないように」、「腕だけでブレーキをかけようと思わないように」と言われても、段差がある下り坂では頭はガグガクになって視線はぶれるし、必死でブレーキにしがみついているので、肩から腕にかけて凄い力が入ってしまいます。
スピードがまったくコントロールできず、楽しむ余裕などありません。暴れ馬に振り回されたような状態でコースを走り終えたときには、周りの参加者の方々が「楽しい〜!」と感激している中で、走るペースも速いし、ところどころ怖かった私は「こんなことで2回目、3回目大丈夫だろうか」と一抹の不安を覚えていたのでした。

お昼ごはんをレストランで食べた後、駐車場の木陰で2回目用のレクチャーが始まります。
急な傾斜でスピードが出たときに、後ろのホイールにお尻がつくくらい体を思いっきり引くというやり方を、そこで実際に体感します。それからコーナーでのターンの仕方。カーブの外側に重心を置き、自転車は内側に倒すようにする。これも広い駐車場で練習。
相ちゃんの周りで思い思いに練習する5人は、蜂の巣の周りを飛ぶミツバチのようです。

2回目の最初には、階段で頭を揺らさないで降りる走りのお手本を見せてくれました。頭は動いていないけど、腕が段差のゆれを吸収している様子が見てとれました。
1回目のライディングで「とにかく頭をぶれさせない」ということが自分の第一の課題となっていたので、「そうか腕か・・・」と納得(でもこのときには膝も使っていることを見逃していたのです。1回目の最初に相ちゃんがちゃんと話していたはずなのに・・・)。
それでも1回目に比べるとだいぶ頭がゆれなくなってきました。頭がゆれないと心に余裕ができます。頭がガクガクゆれて必死でハンドルにつかまっているときは目線もすぐ前の地面のゴツゴツしか見ていなかったけど、頭がすっと立って動かないと前が見られるようになります。
段差の前にブレーキをかけてスピードを落とし、段差を越えるときにはブレーキを開放する。この実践でも格段に走行が楽になりました。バンクと言われる壁に沿って走る方法も教えてもらいました。うまく出来たときのあの感覚は忘れられません。遠心力に身を任せた伸びと広がりのある感じ。自分が飛行機になって旋回しているような感覚です。

2回目の後半に「そうか、膝を使っていなかったんだ!」と気付き、3回目は腕に加えて膝の動きも利用するようにしました。
ぴょんぴょん飛び跳ねるようにして走ると、随分楽になってきました。だけど、さすがに7kmぴょんぴょん飛び続けてはいられず、ももがしんどいので座れるところでは座ります。
相ちゃんの真後ろを走っていると、コース取りや曲がり方、姿勢など、とても参考になって走りやすいです。ブレーキをかけるタイミングや開放するタイミングも教えてもらえます。相ちゃんが繰り返し口にしていた「メリハリ」は今の私にはまだまだだけど、回数をこなすと身についていくのでしょう。
気付いたらジャンプしてしまっていたり、スピードが出すぎたりしていた割に、それまで転びもせず、我ながら「たいしたもんだ」と思っていたのに、不覚にも3回目の後半のバンクで失敗してしまいました。バンクの途中で自転車がズズっと滑って、頭と左上腕を土の壁に打ち付けてしまいました。レンタルしていたフルフェイスのヘルメットのおかげで頭は守られました。左上腕に軽い打ち身のような痛みが残ったけど、たいしたケガもせずにすみました。そしてバンクの壁に張り付いた私は笑っているじゃないですか。MTBって不思議です。

まだまだダメダメなところがいっぱいだけど、時々、心に余裕をもってコントロールできている感覚を覚える瞬間がありました。
数をこなすとその感覚が次第に増えていくそうです。そうなったらもっともっと楽しいでしょうね。
帰宅後クタクタになって横になり目を閉じたら、ジェットコースターのようなトレイルが右に左にカーブしながら目の前に広がっては消えました。トレイルを走りぬけた印象が脳裏に焼きついてしまったのでしょう。
相ちゃん、ご指導ありがとうございました。一緒に走った参加者のみなさん、またどこかでお会いできるのを楽しみにしています。


== SPECIAL THANKS ==
Written by Masako Suda