2009年9月19日〜21日
「ノーススターアドベンチャーツアー」

今回のノーススターツアーは、初の2泊3日の行程。そのすべてがパーフェクトな秋晴れに恵まれて、トレイルコンディションもパーフェクト、すべてがパーフェクトなツアーとなりました。
そんな「最高!」の様子を、仲良しグループとともに参加された渡辺さんがリポート!


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2009年秋の大型連休前半、2泊3日のノーススターアドベンチャー・ツアー。2か月前の7月25日〜26日のツアーにも参加した私にとって、今回のノースツアーは2回目。7月は雨に降られ、楽しいながらも、正直、若干の消化不良を起こしていたため、今回こそは乗鞍を乗り倒す「リベンジ!」と大いなる期待を抱いての参加となりました。
そして結果は、最初から最後まで、何から何まで、「最高」の連続でした・・・私だけでなく、参加された皆さん全員一致で「最高」と認めるのではないかと思います。

ということで、「最高」のおすそわけ。最高の3日間のはじまりはじまり。

DAY 1: 2009/9/19 (SAT) AM
シルバーウィーク初日、渋滞を見込んで早めに東京を出発した私たちは、9時ごろノーススターへ到着。どう考えても早すぎる到着に、いちるの戸惑いも見せずにニコニコ出迎えてくれたのが、ノーススターのヒーロー、ヤマケンさんでした。
「もう渋滞始まっていました?お疲れでしょう。どうぞラウンジで休んでください!」との温かいお言葉に感謝しつつも、最高の天気、最高の自然を感じていたく、外でゆっくりと準備を始めました。空は雲ひとつない青空、遠くには乗鞍の山々、一足先に紅葉を始めた白樺は風が吹くとハラハラとその葉を散らせます。「あ〜、気持ちいい。」
まだ集合まで時間があったので、MTB散歩がてら、おやつを買いに近くの商店まで出かけました。
ノーススターからその商店までは、気持ちのよい下りが続きます。うんと続きます。ひたすらに・・・車ではあまり意識しなかったけれど、ノーススターは乗鞍高原1500mの位置。そのお店は思った以上に下界にあり、行きはよいよい、帰りはツライ。じっとり汗もかいて、よい準備運動になりました。
ランチは、近くのレストラン「アルム」にて、和田さん・ともさん・それにお腹のすいた皆さんと。おいしかったぁ!

DAY 1: 2009/9/19 (SAT) PM
13:00頃、ついに、和田さんの号令で、参加者全員が輪になって集合。ぐるっと見渡すとTTSのツアーでよくご一緒させていただく方々や今回初めてご一緒させていただく方々、約20名。みなさん一様に、遠足前の小学生のような興奮の笑みをたたえて和田さんのお話やノーススターのスタッフの方々の紹介、今後の予定などを聞いています。
今回は、参加者を大きく2つのグループA・Bに分け、さらに細分化しA1・A2・B1・B2の4グループ構成で動くことになりました。
Aグループは、「テリーズ」という標高の高い場所からロックセクションの多いテクニカルなコースを駆け降りることを最終目標に据えたハードグループ、Bグループは、3日間乗鞍のコースを満喫できるソフトグループ。基本的に「テリーズ」以外は両グループとも同じコースを走るとのことで、私は、Bグループに。
さて初ライディング。と、その前に、はやる気持ちを抑えて入念なストレッチ。MTBに乗る時に使う筋肉の位置を細かに説明しながら指導してくれるノーススターの助っ人平野さんの指導による全身ストレッチは、伸びるぅ〜を実感できる「効くストレッチ。」あのストレッチがなかったら、体がカチンコチンになってしまって3日間持たなかったかもしれません。
そして、ついに、ライディングスタート。
トレイルに入るや否や、登り基調で、まだ、乗鞍の高度に順応していない心肺がバクバクいうのですが、そんなことも忘れてしまうほどの、最高のコンディション。トレイルは超ドライで、みなさんグリップの良さを感じて、飛んだり跳ねたり。「キモチイイー♪」とか「ヒャッホー・イヤッホーイッ」とか、歓喜の雄叫びがこだまします。
小休止時に、あまりにも気持ち良すぎて水分を取ることも忘れていた和田さんが、改めて一言。「あぁ、MTBやっててよかったぁ。」みんなが思っていたことを代弁してくれた和田さん。ほんとに同感です。
今回のツアーは、3日間のロングバージョンということもあり、所々で、乗鞍の見どころを周る特典付きで、初日は、「番所大滝」へ。落差40M、幅15Mで、乗鞍三大滝の中で最大といわれるその豪快さは迫力満点。滝のしぶきとマイナスイオンをいっぱいに浴びてさらにリフレッシュしました。こうしてもっと走りたいという気持ちを残したまま初日のライディングは終了。でも、まだあと2日もある。
夕食は18:00からということで、その前にノーススターの目の前にある乗鞍高原温泉「湯けむり館」へ。乳白色の露天風呂にたっぷり浸かり、風呂上がりには、ノーススターのMTBパークを眺めながらおいしいKONA BEERをグビッっと飲んでプハーッ!最高の贅沢。大人っていいなぁ。
夕食も、ボリューム満点&ほんとにおいしくて、大満足。
そして、夕食後は、大ボルダリング大会。垂直な壁面に張り付いた奇妙な形のカラフルな小岩を両手両足でつかみながら、上下左右に移動していく。たったそれだけのスポーツ。一見簡単そうなこれが、やるとなると非常に難しい。専用のシューズをお借りしてチャレンジするも、途中でマットに叩きつけられ、ヤマケンさんのアドバイス通りに手足を動かして、やっと横移動だけはできました。これ、普段は使わない筋肉を使うあなどれない「スポーツ」です。
そして最後は、ようやくラウンジでまったりしながら、SNOWBOARDのDVDを見て就寝。初日から楽しいこと盛りだくさんで、どうしよう・・・

DAY 2: 2009/9/20 (SUN) AM
普段はものすごく朝が弱いのに、この日は7時前にシャキーンと目覚め、外へ出ると、空は澄んだ青空。キリリとした朝のすがすがしさを感じている間に8時になると、Jack Johnsonが流れ、スタッフの皆さんとハイタッチをしながらDining Roomへ。おいしい朝食をいただいて、エネルギー充填。
2日目は、AMライディング・PMトレイルメンテナンスグループと、その逆パターンのグループに分かれてスタート・・・のはずが、出た!出た!出たんですって、熊が!すぐそばに!
当時のニュースによると、なんでも、19日(ツアー初日)午後2時半ごろ、乗鞍スカイラインの畳平バスターミナル(標高約2700m)に体長約1m30の雄のツキノワグマが現れ、観光客や売店従業員ら男女9人が襲われてケガをしたとのこと。
実際、県が安全確認パトロールのためにこの日の朝10:30 まで乗鞍スカイライン・乗鞍エコーラインを通行止めにしていた影響で、私たちもトレイルのコース変更を余儀なくされましたが、クマに出会うことを考えたら、些細なこと。われらは、大自然に分け入って、山の小路を走らせていただいている分際。クマは自然の一部。身の程をわきまえなければ!
また、自然の中で遊ぶ以上、自然に対するそれなりの知識を蓄えておくことも必要だと思いました。
例えば、クマと出会った際の心構えとして自治体は「大声で叫んだり、物を投げたりしないように」と呼び掛けているそうです。しかし今回は石を投げたり、車のクラクションを鳴らしたりする行動が見られ、専門家は「興奮したクマが退路を断たれ、どうにかして避難しようとするうちに通常の判断ができなくなったのではないか」と推察しているそうです。
さて、あまりにも身近で起こった、身の毛もよだつホラー映画並みの出来事にア然とするも、自分は大丈夫との根拠のない自信とともに気持ちを切り替えて、三本滝からライディングスタート!
先頭は、ノーススターのイケメンガイドSeth、そして私たち参加者4人をはさんで、後尾にこれまたイケメンの平野さんという、少人数でのライディングが実現。そのためプライベート感満載で、コースガイドはもちろん、ライディングテクニックもたくさん教えていただきました。
特にブレーキングのコツは、目からウロコ。まだまだ初心者の私は、もっともっと初心者の頃にガレ場の下りでフロントブレーキを急にかけて見事に前転宙返りをしたことがあり、そのトラウマからか、下りになるとチキン度が増しリアブレーキを強めにかけて後輪をロックさせてしまうことが多かったのですが、フロント8割:リア2割ぐらいでじわ〜っとブレーキをかけた方がスピードも落ちるし、コントロールもしやすいよとのアドバイスをいただき、実践。さすがにフロント8割とまではいかないものの、意識をかえるだけで、ライディングが楽にそして楽しくなりました。
2日目のおまけ特典は、善五郎の滝。Sethの案内で一番近くのView Pointまで行ってしぶきを浴びました。とにかく、初日同様、最高のライディングの後は、お楽しみのランチ。野菜・お肉・卵たっぷりのピタサンドと焼き立てのしっとりやわらかオートミールクッキー。あまりのおいしさにボリュームたっぷりの一皿をぺろりといただいてしまいました。

DAY 2: 2009/9/20 (SUN) PM
PMは、長ソデ・長ズボン・軍手に、手にはクマデ・カマ・ノコギリ・スコップ・クワをもち、さながら農家の嫁か工事現場の日雇い労働者。
ノーススターのボスDanが付きっきりで明確な指示を出しながら、トレイルメンテナンスの仕方を教えてくれました。
2グループに分かれ、メインは岩場の岩の組み替え。MTBに乗っていると、タイヤをどこに持ってゆけばよいのか一瞬悩んでしまうような隙間の多い岩場や、タイヤがパンクしそうな尖った岩場に遭遇します。それをノーストレスで走り抜けられるように組み替えるのが今回のメンテナンスの目的。
もともとあった岩を一旦動かし、大小さまざまな岩を探しては、パズルをはめるように岩と岩を並べてゆきます。雨が降った時の水の流れを確保しておくこともポイント。なかなかの重労働ですが、一方のグループでは「チャーリーズShibata」と命名されたShibataさん3人組が、他方のグループではいつの間にやら「親分」とよばれたShibusawaさんが中心となって見事に快適な岩場に作り替えました。Danの評価は「Perfect!」うれしいなぁ。
そして最後にみんなで、バンクをつくることに!平坦な草原トレイルから走りこみ30〜40センチのドロップオフをした後の左カーブという絶妙な位置。
近くの土を掘り出しては運び&固め、を繰り返し、和田さんのスコップづかいで微妙な角度と長さに調整し、最後に、落ち葉や枝を巻いてカモフラージュ。するとまるでもともとそこにあったかのようなバンクが誕生しました。名付けて「ワダバンク」
あぁ、このバンク、あの岩場を早く走ってみたい!というみんなの気持ちを察したかのようなDanが、時計をチラリとみて一言。「じゃ、バイクを取りにいって、みんなで最後に1本走りましょう!」これでもかというほど楽しませてくれる心意気に身ぶるいしそうになります。もちろん、走った結果は、最高!自分たちで作ったMy Trail、いやOur Trailの方がみんなの力を感じられる言葉かもしれません。
Danによれば、MTBに使用しているトレイルの9割は昔そこに住んでいた人々が生活路として使用していた小道で、決して新たに開拓しているのではないということ。残りの1割もトレイルとトレイルをつなぐためのConnecting Trail。自然を守りながら、その土地の人々の理解を得ながら、その中で遊ばせていただく。長年に渡って地道な努力を続け、私たちにこんなにも素晴らしい環境を提供してくれるDanとその仲間の皆さんに改めて感謝せずにはいられません。ありがとう。トレイルメンテナンスをしなければ感じ得なかった、この想い。このツアー、やっぱり最高です。
2日目のディナーも、豪華。グリルチキンにポークにソーセージ。サラダに炊き込みごはんまで!この日は、ファミリーで参加されていた方のお子さんのお誕生日を祝ってみんなでHappy Birthdayを合唱。なんとホールケーキも用意されていて、この演出にまた感激。
さらにこの日は、外へ出て焚き火でスモア体験。スモアとは、マシュマロを串にさして焚き火でこんがりあぶり、チョコとビスケットで挟んで食べるお菓子。アメリカの子供たちのBBQの定番お菓子で、「I want some MORE!」(もっとちょうだい!)と言うほどおいしく、「some MORE!」、そして「S'more(スモア)」になったそうです。
スモアの後は恒例の和田さんヘッドカム映像とDVD鑑賞(この晩はRock Climbing)をして就寝。遊び疲れとはこういうことを指すのでしょう。

DAY 3: 2009/9/21 (MON) AM
ついに迎えた最終日。この日も最高の天気に恵まれ、ライディングスタート。
この2日間で何度か走ったコースも含まれていて、ある程度コースが頭に入っているため、次にどう走るか考えながらぐんぐん走れる。だから何度も続く細い板の一本橋も、急な階段脇の細い凸凹も、激しい登り返しも、楽しくってしかたない。また、東大ヒュッテの広場からみた乗鞍の山々の景色は本当に最高で、カメラマンSethが写真を撮ってくれました。
遠くには乗鞍、目の前には風に吹かれる白樺の間を走るMTBの後姿。さながら、「SEASONS」のDVDのワンシーン。なんて美しい。あーもう終わってしまうと、名残惜しい気持ちを感じ始めたころ、Sethが、「よしもう一本行きましょう!」と大サービス。存分にライディングを満喫して、ついに終了、そしてハイタッチ・・・

こうして、3日間のツアーは幕を閉じました。

ノーススターの皆さん、和田さん、ともさん、そして一緒に参加された皆さん、ありがとうございました!みなさんのおかげで、本当に最高の3日間になりました!


== SPECIAL THANKS ==
Written by Tomoko Watanabe
Photos by Pascal & The Trail Store